中性浮力  neutral buoyancy

中性浮力 ダイビング用語

中性浮力  neutral buoyancy

 浮力が釣り合って浮きも沈みもしない状態をいう。水中での中性浮力の維持能力は、ダイバーにとって最も重要なスキルである。
 浮力調整の基本は、まずウェイト量を適正な値にすることである。理想的なウェイトの量の決め方は、水中でタンクの残圧を50bar程度にし、BCD.から完全に空気またはガスを放出した状態で、安全停止深度の水深5mで中層停止できるようにウェイト量を判定する。

 

 水面で中性浮力を確認するには、ダイバーは動きを止めて直立姿勢で水面に浮く。BCD.を完全に排気し、息を吸った状態でマスクの上縁から頭頂部が水面に出る状態であればよい。フルに充填されたタンクの空気またはガスの重量は、潜水中に消費されて減少し、空気の重量が減少した分だけ浮力を増すことを考慮しなければならない。

 空気の重さは1Lにつきおよそ1gとして換算すると、200bar充填した内容積10Lのタンク内の空気の重さはおよそ2kgある。このタンクでダイビングを行って50bar残す場合、終了時にはおよそ1,5kgの浮力が増すことになる。
 潜降と浮上。を含み潜水中の中性浮力の調整は、もっぱらBCD.の操作を中心に行う。

 

中性浮力の取り方

中性浮力は、次の3つの要素が重要になります。

 1.ウエイト量
 2.BC中の空気調整
 3.呼吸での調整

■ウエイト量

最初にウエイト量(おもり)ですが、軽すぎず重すぎない適正なウエイトが中性浮力を取りやすくします。
それでは適正なウエイト量の見付け方です。ダイビング器材を全て装備している状態で海に入り、BCの中の空気を全部抜きます。 体を立てている状態で、大きく呼吸をします。息を吐ききった時に頭のてっぺんが水中に入り、 大きく吸った時に目が水面に出るくらいのウエイト量がベストです。
ダイビングを初めて間もないころは、これより少し重めの方がダイビング全体で見ると楽かもしれません。

■BC中の空気調整

ここからが本題です。水深が深くなればなるほど体は沈み気味になり、逆に水深が浅くなればなるほど浮き気味になります。
その時にBCの中の空気を出し入れして、沈み気味・浮き気味を無くしてやります。まずは体が沈み気味の時は、BCに空気を入れます。この時に気を付けておきたいのは、BCに空気を入れる時はちょっとずつ入れましょう。水中では、空気を入れた時も出した時も反動が返ってくるのが少し遅れます。一気に空気を入れてしばらくすると、そのまま水面まで「さようなら~」となりかねません。「プッ」と入れたら1~2秒待ってみる。それでもまだ沈み気味ならまた「プッ」っと入れて待ってみる。この繰り返しで入れましょう。

■呼吸での調整

BCでの調整が、出来たら次は呼吸の調整です。呼吸の調整は、簡単です。吐くのと吸うのを一定のリズムで行えばいいだけです。
BCでの調整が上手くいけば、吐いた時に沈み始め吸った時に浮き始めます。また水中では、反動が返ってくるのに時間差があるので、吸った後に浮き始める前に吐き始める吐いた後に沈み始める前に吸い始めるこれを繰り返せば、同じ場所に留まることが出来るようになります。
中性浮力

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