オトベント
中耳炎治療のためにスウェーデンで開発された医療用風船である。片方の鼻を塞いで、逆側の鼻の穴にノーズピースを当て、風船をふくらませて、耳管を開くバルサルバ法の練習ができる医療器具である。
オトベントの強さは耳に害がなく、耳管を開くために十分な圧力になるよう計算されている。中耳炎治療の場合と異なり、ただ単に膨らませているだけでは、耳抜きは改善しない。オトベントの“強ざ’を体で覚えることが目的である。
具体的なオトベントの使い方は、通りが良い方の鼻にオトベントを当て、逆側の鼻を指で塞ぎ、鼻から声を出すような感覚で、ゆっくりと2~3秒かけて膨らませる。グレープフルーツ大まで膨らんだら、その大きさを維持するように圧力を1、2秒間かけ続け合計4,5秒間で一回の耳抜きを訓練する。何度も練習してこのバルサル法の動作ができるようになったら、次の段階としてオトベントを使用せずに同じ動作を行えるように訓練する。一日に100回ほどのバルサルバ法を試してみる。
時々(朝夕1回ずつぐらい)オトベントを膨らませてみて自分の強さや動作が正しいかを確認し、何回耳抜きを行っても、正しい耳抜き動作ができるようにする。1同のダイビングで約30回程度の耳扱きが必要であり、1日3本潜れぱ約100回の耳抜きが必要であることが、1日に100回の練習をする根拠である。
注意が必要なことは、オトベントを膨らませるときに一気に膨らませないこと、そしてオトベントの強さを超えて膨らませないことである。このような動作は、内耳を損傷させてしまうおそれがある。
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