世界のダイビングの歴史 【 図解】

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世界のダイビングの歴史

人類が本来の活動領域ではない水の中に潜り始めたのは、何時の頃からなのかそれを明らかにすることは極めて困難なことかも知れませんが、野生動物の生態から推測して、少なくとも人類が誕生し水辺に住み着くとともに、水との接触が開始されたと考えるのが自然ではないでしょうか。始めは単なる好奇心から、それが水浴となり、やがて食料として水中の動植物採取に気づいた人間の行動は、より深い海を対象とした水中活動に向けられていったと考えられます。

それは海女として現代にその形態を伝える「素潜り」と呼ばれるもので、古くは古代メソポタミアの遺跡から青真珠貝母の象眼が見つかっていることなどから、既に紀元前4500年の頃には素潜りが行われていたものと思われます。

人間は長い歴史の中で、それぞれの時代を反映した思想や科学技術のもとに、厳しい水中環境に挑戦し続け、現代の潜水技術や器具を開発してきたのです。

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 紀元前4500年 真珠貝を採取

  • メソポタミアのビスマヤ遺跡から大きな真珠刃母貝を象嵌した細工が発掘されており、海に潜って真珠貝を採取していたダイバーが存在していた。

    真珠貝の象嵌加工した現代の作品

    紀元前3000年 クレタ島で海綿採取

     ギリシャのクレタ島で海綿採取の為に潜水、現代のシュノーケルに先駆けて、古代のダイバーが水に浮きながら呼吸できるように中空の葦を使用していました。

    参考サイト:http://www.myrtiesboutiqueapartments.gr/?type=content&category_id=24&content_id=78&menu_id=4&lang=en

    参考サイト:http://www.cyana-plongee.com/histoire.html

    約500 BC 伝説のダイバース キュリアス 

    ギリシャのスキュリアス(Scylias)と言うペルシャからギリシャに寝返った潜水の名手の話が記載されている。(ヘロドトス歴史書歴史から

    映画『300: Rise of an Empire』の中にスキュリアス(Scylias)が登場。

    紀元前4世紀  アリストテレスのダイビング・ベル

     有名な哲学者アリストテレスの『アリストテレス全集』にスノーケルのような潜水道具とダイビング・ベルを当時の潜水士が使用した記録が記載されている。

アリストテレスの『ダイビングベル』

紀元前4世紀後半 アレクサンドロス大王の潜水

アレクサンドロス3世(大王)がガラス瓶に入り海に潜ったという伝説がある。

ガラス瓶で海に潜るアレキサンダー大王(16世紀の絵画)

1300年 ベネチアの珊瑚ダイバー ゴーグル使用

鼈甲を研磨した窓を備えたゴーグルをペルシャの真珠採りのダイバーが使用、これらのゴーグルを地中海諸国で輸入されたこと裏付ける絵画が下の写真、ベネチアの珊瑚ダイバーが16世紀ごろに使用していた。

参考サイト:The history of swimming goggles

15世紀  レオナルドの潜水装置

レオナルド·ダ·ヴィンチがデザインした水中呼吸装置は水圧によって押しつぶされないように鋼製のリングで革で結合さサトウキビ・チューブで構成されています。

管は水の上に開口部を維持するためにフェイスマスクにし、ベル型フロートにもう一方の端に取り付けられている。

豚革、竹管、およびコルクフロートを使用して、この設計に基づいた制作されたダイビングスーツはダイバージャキー·コーゼンズによって浅い海域でテストされ、成功しました。

レオナルドの潜水装置

参考サイト:Diving Apparatus

1535年 近代的なダイビング・ベル登場

  • グリエルモ·デ·ロレーナがレオナルド·ダ·ヴィンチの設計からダイビングベルを制作、最初の近代的なダイビングの鐘である。

1691年  エドモント・ハレーのダイビング・ベル

テームズ川にてハレー彗星で有名なエドモント・ハレー(Edmund Hally)が深度18mで1時間半の潜水をダイビング・ベルで記録。

参考サイト:Skulls in the Stars

1728年  ダイビング・ベルの改良

トリワルド(Trewald)がダイビング・ベルの上端に容器から送られた空気を取り入れる空気管が取り付けられている。

1782年  圧縮空気をダイビング・ベルに採用

ジョン・スミートン(John Smeaton)が蒸気機関で駆動させた空気ポンプでつくった圧縮空気をダイビング・ベル上部に送り込み、且つ換気を行うことに成功。

1800年  ノーチラス号登場

  • 実在のノーチラス号は、ナポレオンの要請によりロバート・フルトンが1800年に設計した、世界最初の実用的な潜水艦の名前であり、ヴェルヌのノーチラス号はこの潜水艦の名前に基づいている。

 

1823 年  世界初の送気式潜水服

イギリスのチャールズ・ディーンとジョン·ディーンが「防煙用ヘルメット(スモークヘルメット)」開発、発明した。(the brothers Charles and John Deane)

イングランドで目撃した火災事故から「防煙用ヘルメット(スモークヘルメット)」を設計し、特許を取得した。煙が充満しても消防士が消火活動できるようにヘルメットの後部に取り付けられた長い革ホースに空気を供給できる構造になっていた。

チャールズはオーガスタス・シーベ(Augustus Siebe)の協力をえて防煙用ヘルメットを制作、販売したが全く売れなかった。

そこでベル潜水のベルと似ていることから1828年に潜水用に改造し、販売したところ、実用的で有効なころがわかり世界中に広がった。

スケッチディーン兄弟の潜水ヘルメット、世界初の送気式潜水服の機器

1825 年  ウィリアム・ジェームスの自給式潜水器

圧縮空気を使用した自給式潜水器をイギリスのウィリアム・ジェームス(Willam James)が考案している。

仕組みは腰から胸にかけてシリンダー状になったベルトを巻き、その中に30気圧の空気を蓄えダイバーはそこに連結したホースを介して呼吸するようになっている。

ウィリアム・ジェームスの潜水器、実用性のある最初のスクバーと言われている。

 1860年 最初の実用化されたダイビングレギュレータ

フラン人である鉱山技師ブノワ・ロカイヨール(Rouquayrol)が圧縮空気をシリンダーに詰め、今日のレギュレーターの基礎になるものを発明したのである。

目的は炭鉱などで落盤事故があったときに発生する大量の地下水が引き起こす困難な救助を実現するためのもので、当時の技術では高圧シリンダー(タンク)が作れず。ゆえにほんの少しの時間しか潜っていられなかった。

1865年 その後、海軍尉官オーギュースト・ドルネーズ(Auguste Denayrouze)の指導の下で潜水呼吸器が開発、実用化された。

最初の実用化されたダイビングレギュレータ

 1893年  最初の水中写真を撮影。

ルイ ボウタン(Boutan)最初に水中カメラを発明し、最初の水中写真を撮影。

1906年   硬式潜水服の開発

 世界初の硬式潜水服の一つに数えられる M. de Pluvy が製作した潜水服

hard

 1908年  減圧テーブルの作成

  • 橋の建設時のケーソン(潜函)作業時の減圧病が問題になっていたが科学的なアプローチで改善する方法が見つからず、減圧病で死亡する事故が相次いだ、しかしJ.S ハールデン(John S.Haldane)が減圧症の原因と症状の詳細な研究を「圧縮空気病気の予防」を公開し、そして減圧テーブルを作成し、減圧病の防止するに貢献した。

    減圧表(decompression table)

1918年  大串式ピアレスレスピレーターを開発

大串岩雄が大串式ピアレスレスピレーターを開発。ボンベを背負えばスクーバー潜水としても使用できた、ダイバーは、自分の鼻から吸気し、口を噛むことにより空気のオンとオフの切り替える。これを使用し地中海の80m下に沈没した『八坂丸』から片岡弓八らが金貨を引上げたことは有名。

1934年 ダイヤフラム式潜水器を考案

  • 浅利熊記が考案したダイヤフラム式潜水器を考案、試作。現在のデマンド・レギュレーターと同じ方式の潜水器。

    1943年  デマンド型レギュレーターの開発

    いくつかの技術的な問題を修正した後、フランス人ジャック・イブ・クストー(Jaques Yves Cousteau)とギャナン(Gagnan)がデマンド型レギュレーター(応需型ガス供給調整器)を開発、特許申請。

    (スクーバー(Scuba:self –contained underwater breathing apparatus)

1956年  水中映画『沈黙の世界』

ジャック=イヴ・クストーと『死刑台のエレベーター』で知られるようになる以前のルイ・マル監督が撮った海洋記録映画。海洋調査船・カリプソ号によるサンゴ礁の調査活動の様子を描いたもの。

内容:ジャック=イヴ・クストーは海に関する専門家を集め、海洋探査船カリプソ号で地中海、紅海、インド洋へ海中調査の航海に出た。彼らはイルカの大群に迎えられ、水中スクーターで海中を探索、さらには海底の難破船も調査していく。

https://youtu.be/3jH2QkP-Bvg

1952年 ウェット・スーツの発明

カリフォルニア大学バークレー校のヒュー ブラッドナーが最初の発明者であると考えられている。

1959年  BCDの登場

 BCDがダイビングの現場で使用され始まる、初めは経口で空気を入れて膨らましていたが次にエアーを使用して膨らませる構造に改良されていった。

1976年11月23日  素潜りで100メートル達成

ジャック・マイヨール(Jacques Mayol)エルバ島にて人類史上初めて素潜りで100メートルを超える記録をつくる。この時49歳であった。

2014年  次世代型大気圧潜水服の開発

次世代型大気圧潜水服「エクソスーツ(Exosuit)」は、カナダ、バンクーバーのNuytco Research社が開発したもので、水深305メートルまで潜水可能。

参考サイト:

Timeline of diving technologyFrom Wikipedia

The History of Diving Museum

日本潜水協会

参考文献:潜水の歴史 著作者:真野喜洋等

潜水の世界 著作者:池田知純

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