浮力調整 buoyancy control

 器材、タンクの材質、タンク内の残圧量、ウェイト、保護スーツの素材、潜水深度、呼吸、海水か淡水かなどの要素でダイパーの浮力は変化する。主に事前のウェイト量、ダイビング中のBCD.やドライスーツヘの吸排気の調整、ダイバーの呼吸によって浮力を変化させて対応する。

ウエイト調整

プラス浮力 positive buoyancy

 ダイバーが浮いた状態あるいは浮き上がろうとする状態をいう。BCD.やドライスーツヘの給気、ウェイト不足または喪失、ダイバーの呼吸、タンク残圧の減少などで浮力が増す。

マイナス浮力 negative  buoyancy

 沈んだ状態または沈もうとする状態をいう。
BCD.やドライスーツからの排気過多、オーバーウェイト、ダイバーの呼吸の状態で浮力が失われる。

中性浮力  neutral   buoyancy

 浮力が釣り合って浮きも沈みもしない状態をいう。水中での中性浮力の維持能力は、ダイバーにとって最も重要なスキルである。
 浮力調整の基本は、まずウェイト量を適正な値にすることである。理想的なウェイトの量の決め方は、水中でタンクの残圧を50bar程度にし、BCD.から完全に空気またはガスを放出した状態で、安全停止深度の水深5mで中層停止できるようにウェイト量を判定する。

 水面で中性浮力を確認するには、ダイバーは動きを止めて直立姿勢で水面に浮く。BCD.を完全に排気し、息を吸った状態でマスクの上縁から頭頂部が水面に出る状態であればよい。フルに充填されたタンクの空気またはガスの重量は、潜水中に消費されて減少し、空気の重量が減少した分だけ浮力を増すことを考慮しなければならない。

 空気の重さは1Mこつきおよそ1gとして換算すると、200bar充填した内容積10Zのタンク内の空気の重さはおよそ2kgある。このタンクでダイビングを行って50bar残す場合、終了時にはおよそ1、5kgの浮力が増すことになる。

 潜降と浮上を含み潜水中の中性浮力の調整は、もっぱらBCD.の操作を中心に行う。

呼吸によるトリミング trimming

 通常、人間の1回の換気量は約500ccといわれるが、潜水中はゆっくりと呼吸を行うので、1回の換気量は2倍のおよそ1,000m/になる。
これを浮力に換算すると約1kgであるから、呼吸による浮力の増減は±1kg程度変化する。したがって、1kg程度の浮力調整はダイバーの呼吸によって可能である。この浮力調整を呼吸によるトリミング、あるいは肺のトリミングという。
 開放式スクーバの場合は、大きく息を吐けば沈み、吸えば浮くが、リブリーザーの場合は、閉鎖回路なのでダイバーの排気は外に出ることがなく、浮力調整を呼吸のトリミングで行うことができない。
 したかって、開放式スクーバであれリブリーザーであれ、ダイバーは、適正なウェイト量を装備し、呼吸は常にー定にして、主にBCDの浮力調整で中層に停止する技術を身につけなければならない。開放式スクーバでは、肺のトリミングは潜降の開始時や中性浮力の微調整など、補助的に使う。

フィンピボット

 BCD.と呼吸のトリミングを使い、水中での中性浮力の状態を体得し、中層停止の技術を獲得するための予備スキル。呼吸によって浮力が変化し、身体が上下動することを体感する。次項で述べるホバーリングに移行するためのステップ・スキルである。

ホバーリング hovering

 中性浮力状態で中層停止すること。手脚の動きを止め、通常の呼吸を維持し、BCD.の空気またはガスの量を少しずつ給気または排気しながら調整して中層に浮かぶ。

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